牛乳パックの構造

 

牛乳パックが日本にはじめてやってきたのはヨーロッパやアメリカから少し遅れて、1960年代です。東京オリンピック、東名高速道路開通、大阪万博など、日本が急ピッチで経済発展をしていたころでした。

 

牛乳パックには丈夫な紙が必要です。そのために、繊維が強いとされる北米や北欧の針葉樹の良質なパルプが使われます。牛乳の紙パックに使われる木材は、立木まるごと使われるのではなく、製材した残りの端材や、木に向かない曲がった部分や細い木、空洞のできた木、風邪や虫食いで倒れた木、森林を健康に育てるために間引かれた間伐材などを使用するため、用材が無駄なく使われています。

 

また、牛乳パックは紙だけでなく、ポリエチレンが加熱して圧着され、内面と外面はその層で覆われています。紙だけでは水分で湿ってしまって破れてしまうため、資源として再利用するには、ポリエチレンをはがす必要があり、他の古紙とは別に回収しなければなりません。

 

紙パックの回収率は堅調に伸び続けています。2008年度の飲料用紙パック原紙使用量は251.0千トンであり、このうち210.9千トンが飲料メーカーを通し飲料用紙パックとして出荷され、回収率は42.6%となりました。

 

現在の紙パックには、リサイクル向上を目指すため、「識別マーク」に「洗って開いてリサイクル」という標語が表示してあります。

 

消費者に、「識別」から「リサイクル」へ分かりやすいメッセージとして届け、適切な分別排出とリサイクルを促しているのです。